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遺伝子研究

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 近年の癌に関する研究の進歩、とりわけ遺伝子研究の目覚しい進歩により、肺癌を含む、悪性腫瘍は遺伝子異常の多段階的な蓄積によって生じる疾患であることが明らかにされています。

 当科では、原発性肺癌の外科切除標本を対象として、マイクロアレイを用いて網羅的に遺伝子発現解析を行うことにより、肺癌の組織型、リンパ節転移の有無、再発の有無により、腫瘍原発巣の遺伝子発現パターンが異なることを発見し、結果の一部を報告してきました。

 マイクロアレイとは、スライドガラス上におよそ3万種類の遺伝子を整列化したものであり、核酸のハイブリダイゼーションにより遺伝子(mRNA)の発現程度を解析するものです(図1)。マイクロアレイ解析から得られた遺伝子発現情報を、総合的に解析することにより、癌研究における新たな標的遺伝子の探索や多様な病態の解明が可能となっています。

 

 当科では、肺癌のさまざまな臨床病理学的因子に特異的な遺伝子群の抽出に成功しており、腺癌、扁平上皮癌、大細胞神経内分泌癌、リンパ節転移、術後再発を判別する遺伝子群をそれぞれ選び出しています。今後は抽出した遺伝子群を用いて前向きに検討を行うことにより、結果の再現性を検証した上で、病理病期および予後、特にリンパ節転移および術後再発転移をきたす可能性が高い危険群の予測と遺伝子発現パターンの相関を検討していきます。

 当科の基礎研究レベルでは、肺癌の臨床病理学的因子と遺伝子発現情報が高い確立で相関することが明らかになってきました。今後は臨床応用を目的として遺伝子発現情報を蓄積するとともに、術前に肺癌の病態を診断するために特化した肺癌診断アレイを作成し、微量生検サンプルでの病態診断の可能性を検討していきます。さらにこれらの解析から、肺癌に特異的な新規腫瘍マーカーや新たな分子標的治療のターゲットが発見できる可能性があると考えています。近い将来、患者様個人々々に合った治療法の選択と治療に有用な遺伝子の発見が可能になると期待されます。

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