1. はじめに
現在の原発性肺癌に対する術前診断や手術の方法では、たとえ他臓器に転移がなく完全に取りきることが可能と判断されて手術に臨んでも、その半数以上に術後再発や転移が発見されます。この再発を抑制することが肺癌の治療成績向上には不可欠なことです。
この再発や転移を抑制することの一つの方法として、これまで免疫療法が考案されてきました。それは肺癌の患者では何らかの免疫力低下の存在が指摘されており、肺癌手術後の効果的な免疫療法が免疫力を回復させることで残存する腫瘍の増殖を抑制し、延命効果をもたらすことが期待されてきたからです。この免疫力の低下をもたらす因子は腫瘍から直接放出されているものもあり、腫瘍を切除する手術療法も広い意味で免疫療法の一つと言えるかもしれませんが、もっと積極的に免疫反応に介入して、抗腫瘍効果を高めるような免疫賦活作用を誘導する免疫療法の開発・研究を行ってきました。